心臓血管麻酔専門医
さて,デリケートな部分も含んでいるので,以前取り上げようとしてやめてしまったことですが,,,,
心臓麻酔専門医という資格制度をたちあげることは,今年の心臓血管麻酔学会で決定しましたし,その概要は一般会員にも配られましたから,ここに載せても問題はないでしょう(心臓血管麻酔学会のホームページには未掲載ですが).
11月に沖縄で開かれた心臓血管麻酔学会でゴーサインが出され,来年度には,暫定的な資格での専門医認定申請がおこなわれることになった.まだ,その要件は確定していないようだが,原則として,心臓血管麻酔学会の会員歴が5年以上で,JBPOTに合格していて,年に50例以上の心臓麻酔をしている人,あるいは年に100例以上心臓麻酔をしている人ということになりそうだ.この症例数や症例の内容などは,今後の学会内の調製で変わってくる.
これは第一段階であり,次の段階では試験による専門医資格となる.こちらはJBPOT合格者で成人・小児の心臓麻酔の経験があり,心臓血管麻酔学会の会員歴が5年以上あり,心臓血管麻酔認定施設での研修歴があることになる.施設認定の条件としては,心臓血管外科専門医認定修練施設で,心臓麻酔専門医が2名以上在籍している施設と言うことになるようだ.こちらは2012年から開始予定.
このような資格制度の最大の効果は,その試験合格を目指して勉強することだろう.JBPOTが経食道エコーの普及に与えた影響は非常に大きい.若い先生たちの関心も非常に高く,また心臓血管麻酔学会を大変活気あるものにしている.おそらくこのような心臓麻酔専門医試験が始まれば,心臓麻酔,手術やその周辺領域に関する知識レベルは上がるだろう.JBPOTとあいまって,心臓外科医等との良好な関係構築にプラスに働くことが期待される.小児麻酔でも同様の専門医制度確立が検討されていると聞く.
デメリットとしては,様々な整合性の問題がある.
心臓麻酔専門医,麻酔指導医との関係.研修医や若手医師が心臓の麻酔について習うときに,麻酔指導医ではない心臓麻酔専門医からならうことを好むか,心臓麻酔専門医ではない麻酔指導医から習うことを好むか?おそらく,心臓麻酔専門医から学ぼうとするだろう.このことは麻酔指導医資格者からみると好ましくないかもしれない.また,今後,研修医が研修施設を選ぶにあたっても心臓麻酔専門医が取得できる施設かそうでないかは大きなポイントになる(かもしれない).
また,万が一,心臓麻酔で事故が起こった場合に,担当の麻酔科医は”心臓麻酔専門医の資格をもっていなかった”ことが問題になるようなことがあると,心臓麻酔専門医以外は心臓麻酔を担当できないことになりかねない.これは,心臓麻酔専門医自身の首を絞めることになる問題だ.
また,内容としても小児専門病院の麻酔科医が成人の心臓手術を担当する機会はほとんどないが,成人の心臓手術がメインの施設でも年に何例かは小児の心臓手術をすることが多い.ということは,小児の心臓麻酔に携わっている人にはかなりハードルが高いことになってしまう.
今の時点でもいろいろな未解決の問題点があるが,学会で決議した以上,来年度にはスタートする.
大学病院や基幹病院などの施設では上の人間がこの資格を持っていないと,せっかくその施設でがんばっている若い先生が受験資格を持てない怖れもあり,立場上なんとしても取得しなくてはならない.初心に返って勉強しようかな.
この制度については当院でも話題に上りました。一症例二名までなど結構厳しい制限があるので、取得予定者の件数をカウントし始めています。ただ、このような制度の問題点として、取得することのメリットや取得しないことのデメリットがはっきりしないことで、受験者は勉強して、お金を払って受験して、維持をするためにも努力が必要ですが、今のところどの専門医をとっても自己満足(と後輩に同じ自己満足を味あわせるため?)でしかないような気がします。後記研修医がそれで増えれば、それはそれで嬉しいのですが・・・
December 29th, 2008 | #
うちは,症例を集めるのに苦労しないのがメリットのようなデメリットのような.....
制度自体のメリットは個人にとってはそれほどないのは,どの専門医制度も同じだと思います.基本的にはJBPOTを取ることが前提の資格なので,その延長線上にあることを考えると若い生きのいいドクターには人気の制度になるでしょう.
自己満足?学会の財政基盤を安定させるためのツール?いろんな要素はありますが,先生も立場上申請せざるおえないのではないでしょうか?
December 29th, 2008 | #